クルーザーの選び方を徹底解説!
スケボーの入り口として、クルーザータイプのスケボーを検討する方が増えてきました。
ミニクルーザーのペニーが発売してからは特にその傾向が強まり、ドン・キホーテやヴィレッジヴァンガードなどの量販店でもミニクルーザーをよく見かけるようになりました。
また、トリック用のスケボーを持っている方は、移動手段としてスケボーを使うためにクルーザーを買うことが多いです。
ただ、
- クルーザーってトリック用のスケボーとはどう違うの?
- クルーザーって色々あるけど、何を選べばいいの?
- そもそもクルーザーって何?
というように、クルーザーのことがよくわからないため、なかなか購入に踏み出せない人が多いと思います。
今回はクルーザーの購入を迷っている方やクルーザーに興味がある方のために、クルーザーについて詳しく解説していきます。
具体的には
- クルーザーとは何か
- クルーザーの魅力
- トリック用のスケボーとクルーザー用のスケボーの違い
- クルーザーの選び方
をお伝えします。
Contents
街を快適に流せるスケボー「クルーザー」
クルーザーとは街乗り用のスケボーのこと。
移動手段の機能に優れたスケボーをクルーザーだと思ってください。
飛んだり板に回転をかけるトリックをするためのスケボーとは、パーツの種類や形が異なるため、クルーザーはトリックには不向きです。
また、板が長くて大きいロングボードとは違い、板がそこまで大きくありません。
板の大きさ自体はトリック用のスケボーと同じぐらいです。
そのため、持ち運びもしやすく、駅から目的地までの移動手段としても使いやすいです。
トリック用のスケボーにはないクルーザーの2つの魅力
では、トリックには不向きなクルーザーにはどのような魅力があるのでしょうか。
私が考えるクルーザーの魅力は2つ。
- 荒い路面や小石を気にせず、街を気持ち良く流せる
- セッティングで色々遊べる
どちらもトリック用のスケボーにはない魅力なので、トリック用のスケボーを持っている方でも移動用のスケボーとしてクルーザーを組む方が多いです。
私も移動用のスケボーとしてクルーザーを2回ほど組みました。
荒い路面や小石を気にせず、街を気持ち良く流せる
クルーザーはトリックのやりやすさではなく移動のしやすさ重視のセッティングにするため、小石や荒い路面でも減速しにくいです。
そのため、荒い路面や小石を気にせずに好きなところへ気持ち良くプッシュしていけます。
- 普段歩いてる駅までの道のり
- 誰もいない川沿いの散歩コース
- カフェからカフェへの移動
- 飲み屋から飲み屋への移動
など、見慣れた景色を見慣れない景色に変えてくれたり、普段行かない場所に行くきっかけになったり、移動が楽しくなったりします。
しかも、自転車とは違って、疲れたら電車やタクシーに乗って帰れます 笑
そのため、クルーザーで飲食店を巡って電車で帰るツアーを行っている方々もいるほどです。
私も今度友人とクルーザーで飲食店を巡ってみようかなーと考えてます。
セッティングで色々遊べる
トリック用のスケボーだと、トリックをやりやすくするセッティングにこだわってしまうので、どうしても遊びを入れる余地がなくなります。
そのため、デッキやトラックは使いやすいパーツを見つけたら、そのパーツを使い続けることが多いです。
私もトリック用のスケボーでも色々なパーツを使うようにしてますが、撮影する前などは必ずやりやすいいつものパーツにします。
ただ、クルーザーは気持ち良くプッシュできればいいので、セッティングで色々遊べます。
デッキ(板)の形(シェイプ)も自由、トラックも自由、ウィールの大きさも自由です。
光るウィールにしてもいいし
変な形のデッキにしてもいいし
このようにトリック用のスケボーではできない、自由なセッティングがメチャクチャ楽しいんです。
これを書いてる私ももう1台クルーザーを組みたくなりました 笑
トリック用のスケボーとクルーザーの違い
ここまで読んでいただけた方は、トリック用のスケボーとクルーザーの違いがなんとなくわかったと思います。
ただ、「具体的にどう違うの?」と、より気になっている方も多いはず。
そんな方のために、ここからはそれぞれの特徴と具体的な違いをご紹介します。
トリック用のスケボーの特徴
まずはトリック用のスケボーの特徴からご説明します。
基本的にはこの写真の形をしたスケボーはトリック用のスケボーだと思って大丈夫です。
セッティングにもよりますが、トリックをやりやすくするために、基本的に小さくて硬いウィールを使います。
そのため、荒い路面だと減速しやすく、小石があるとすぐに詰まってブレーキがかかります。
また、デッキの形もトリックがやりやすいようにテールもノーズも沿っています。
スケボーのトリックに本気で挑戦したい方はトリック用のスケボーを買うことをオススメします。
クルーザーの特徴
クルーザーはこの絵のような形をしていることが多いです。
デッキのノーズがあまり反っていないことが多く、トリックがやりにくい形になっています。
クルーザーのウィールは柔らかくて大きなものを使うことが一般的です。
そのため、小石や荒い路面でも気にせずにガンガン滑れます。
「ウィールが大きく柔らかいスケボー」=「クルーザー用」
トリック用のスケボーとクルーザーの違いをざっくり言うと、こんな感じです。
- ウィールが大きく柔らかいスケボーがクルーザー
- ウィールが小さく硬いスケボーで、よく見る形の板がトリック用のスケボー
それぞれ明確な定義はないのですが、クルーザーかどうかは足回り(トラック・ウィール)で判断してください。
デッキのノーズとテールが反っているデッキでも、大きくて柔らかいウィールを使っていれば、クルーザーとして乗ってる場合もあります。
クルーザータイプのスケボーはこんな方にオススメです。
- プッシュで長距離移動したい
- スケボー移動手段にしたい
- トリックせず、ただ滑りたい
クルーザーの選び方
ここまででトリック用のスケボーとクルーザーの違いをご理解いただけたと思いますので、次はクルーザーの選び方をご紹介していきます。
クルーザーを購入する時は、まずこの2つの選択肢のどちらにするかを決める必要があります。
- コンプリートセットで買う
- パーツごとに買って組み立てる
※コンプリートセットとは、全てのパーツがセットになって組み上がったものです。
コンプリートセットを購入すれば、何もしなくてもすぐに滑れます。
それぞれ詳しく説明していきますが、
- 初心者の方は「1.コンプリート(セット)で買う」
- 最初からこだわりたい人or2台目のスケボーを買う人は、「2.パーツごとに買って組み立てる」
がオススメです。
1.コンプリート(セット)で買う
初心者の方は「1.コンプリート(セット)で買う」のがオススメ。
よっぽどこだわりたいなら別ですが、最初はパーツを選ぶだけで一苦労ですし、自分でスケボーを組む必要があるので結構大変です。
コンプリートで購入しても後からパーツ単位で交換できるので、後からいくらでもこだわれるので安心してください。
私がオススメするクルーザーのコンプリートは、スケボー専門店「カリフォルニアストリート」さんのコンプリートセット。
クルーザーとして考えるとウィールは少し小さいですが、使っているパーツの質もデッキのサイズもちょうど良く、バランスが良いです。しかも安い。
もちろん荒い路面や小石も気にせず滑れる足回り(トラック・ウィール)のセッティングになっています。
- パーツのことはよくわからない
- そこまでこだわらなくてもいい
- とにかくクルーザーに乗ってみたい
という方はまずこちらのクルーザーを買って、使ってみて欲しいパーツや変えたいパーツが出てきたら、自分なりのセッティングにしていくのがいいと思います。
逆に初心者にオススメできないのがペニーなどのミニクルーザー。
ファッションとして見ればおしゃれですが、クルーザーとしての機能は低く、かなり乗りにくいです。
スケボー歴8年以上の私が乗っても乗りにくさを感じるぐらい。
ペニーなどのミニクルーザーは、
- デッキの幅が狭い
- デッキの材質がプラスチックで柔らかい
ため、かなり不安定です。
そのため、全くの初心者や移動手段としてしっかり使いたい方はきちんとしたクルーザーを買いましょう。
- トリック用のスケボーに乗り慣れた人が近くのコンビニに行くまでの「足」として使う
- ファッションアイテムとして持ち歩きたい
という場合以外は、購入をオススメしません。
気軽に購入できるのはいいところなんですが。。
2.パーツごとに買って組み立てる
「最初からこだわりたい人」や「トリック用のスケボーを持っているけど、移動用のスケボーが欲しい人」は、「パーツごとに買って組み立てる」のがオススメです。
パーツを個別に選んでいくため、
- 自分の好きな挙動にできる
- 好きなデザインのパーツを選べる
- 自分だけのスケボーを組める
など、様々なメリットがあります。
ただ、クルーザー用のパーツをどう選んだらいいかわからない、という方が多いと思います。
そんな方に向けて、ここからはクルーザー用のパーツの選び方をご紹介していきます。
クルーザー用のパーツはこの順番で揃えるのがオススメ。
- デッキ
- デッキテープ
- ウィール
- トラック
- ベアリング
各パーツの選び方もこの順番で紹介していきますね。
クルーザー用デッキの選び方
まずはデッキ(板)から選んでいきましょう。
スケボーのセッティングの中ではデッキのグラフィックが1番目立つため、好きなデッキを使うとテンションも上がります。
また、トラックやウィールの色をデッキに合わせた方が統一感が出るため、デッキを最初に選ぶのがオススメです。
クルーザー用のデッキを選ぶポイントはこの二つ。
- クルーザーデッキを選ぶ
- 横幅が7.75inchのデッキを選ぶ
クルーザーデッキを選ぶ
デッキの形は何でもいいのですが、クルーザーっぽさを出したいなら、クルーザーデッキと呼ばれる形のデッキを購入しましょう。
先ほどご紹介したこの画像のようなデッキです。
横幅が7.75inchのデッキを選ぶ
クルーザーのデッキの横幅は7.75inchがオススメです。
※デッキの横幅はinch(インチ)という単位で表記されるのが一般的。1inch=2.54cm。
クルーザーはスピードを出したり長距離プッシュをしたりするため、安定性を考えるとあまり細いデッキはオススメできません。
かといって、デッキが太すぎると持ち運ぶのが大変になるので、私がオススメするデッキサイズは7.75inchです。
ただ、より安定感を求めたい方は横幅が8.5inchぐらいのデッキがいいと思います。
デッキのサイズは自分のスタイルに合わせて選びましょう。
「ちょくちょく手で持って移動する」「クルーザーを持って電車に乗って、駅から目的地までプッシュする」という方は、7.75inchがしっくりくると思います。
- 手で持って歩くことがあまりない
- 長距離プッシュすることが多い
- ガンガンスピードを出してプッシュする
という方は8.5inchぐらいの方がしっくりくると思います。
オススメのクルーザーデッキ
オススメのクルーザーデッキはこの二つ。
1)Zipzingerのクルーザーデッキ
Zipzingerはレジェンドスケーターのマークゴンザレスが所属するデッキブランド、「Krooked」から発売されているクルーザーデッキです。
品質も確かですし、色もおしゃれ。
個人的にはクルーザーのデッキはこれぐらい派手にするのが好みです。
2)カリフォルニアストリートのクルーザーデッキ
スケボー専門店「カリフォルニアストリート」さんのオリジナルデッキ。
5,000円代で購入できて、お財布にかなり優しいです。
かなりシンプルなデザインなので、好きなステッカーをベタベタ貼ってカスタマイズするのもアリ。
クルーザーのデッキは本当に色々なサイズや形があるので、色々と見て回るのも楽しいですよ。
もっと詳しくクルーザーデッキの選び方を知りたい方や、おすすめのクルーザーデッキをもっと知りたい方はこちらの記事も合わせてどうぞ。
目的・用途別おすすめのクルーザーデッキと選び方を徹底解説
クルーザー用デッキテープの選び方
デッキテープとはデッキの表面に貼る、ザラザラとした紙やすりのテープのこと。
このデッキテープは何でもOK。
紙やすりの目が細かいものから荒いものまで様々なタイプがありますが、クルーザーなら見た目で選んで大丈夫です。
クルーザーはトリックをあまりしないので、デッキテープの目の荒さは大きく影響しません。
無骨な見た目がよければ、シンプルなデッキテープ
イケイケなデッキテープがよければ、こんなデッキテープもあります。
クルーザー用ウィールの選び方
デッキを選んだら、次はウィールを選びましょう。
デッキとウィールが決まれば、自然に選ぶトラックも決まってきます。
ウィールは「サイズが大きくて、柔らかい」ものを選びましょう。
オススメのサイズと柔らかさとしては、
- 直径が58mm
- 硬さが80a
のウィールです。
ウィールの硬さは◯◯aと表されることが多く、数値が高いほど硬くなり、数字が低いと柔らかくなります。
クルーザー用のウィールであれば、80a以下の硬さを選びましょう。
それ以上硬いウィールだと、荒い路面を快適に滑れなくなります。
オススメのウィールはこの二つ。
どちらも定番のウィールブランドなので、質の高さは折り紙つきです。
クルーザー用のウィールの選び方をもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてくださいね。
目的別におすすめのソフトウィールと選び方をまとめてみた
クルーザー用トラックの選び方
トラックはデッキの横幅とウィールの高さに合わせたトラックを買いましょう。
トラックの「高さ」の選び方
クルーザー用のウィールは大きいので、トラックは基本的に「Hi」を選ぶこと。
※大抵のトラックメーカーは、トラックの高さを「Hi」と「Low」の二つに分けており、高い方が「Hi」で低い方が「Low」です。
ウィールが大きいのにトラックが低いと、ウィールがデッキに当たって急ブレーキがかかるので危険です。
そのため、トラックは必ず「Hi」を選びましょう。
「Hi」を選んでもウィールがトラックに当たる場合は、「ライザーパット」というパーツをトラックとデッキの間に挟むことでトラックの高さをカサ増しできます。
トラックの「幅」の選び方
トラックの幅はデッキの横幅に合わせて選びましょう。
各トラックブランドのサイズと対応するデッキの横幅をそれぞれご紹介するので、トラックを選ぶ時の参考にしてください。
※下記の情報はカリフォルニアストリートさんのサイトを参考にさせていただきました。
Independent(インディペンデント)のトラックの場合
- 129 : デッキ幅 約19.0~20.0cm(7.5~7.875inch)
- 139 : デッキ幅 約20.0~20.9cm(7.875~8.25inch)
- 149 : デッキ幅 約20.9~22.2cm(8.25~8.75inch)
Venture(ベンチャー)のトラックの場合
- 5.0 : デッキ幅 約19.0~20.0cm(7.5~7.875inch)
- 5.25 : デッキ幅 約20.0~20.9cm(7.875~8.25inch)
Thunder(サンダー)のトラックの場合
- 147 : デッキ幅 約20.6~21.0cm(7.5~8inch)
- 148 : デッキ幅 約20.6~21.0cm(8.125~8.5inch)
- 149 : デッキ幅 約21.2~22.2cm(8.375~8.75inch)
Royal(ロイヤル)のトラックの場合
- 5.0 : デッキ幅 約19.0~19.7cm(7.5~7.75inch)
- 5.25 : デッキ幅 約19.7~20.9cm(7.75~8.25inch)
Ace(エース)のトラックの場合
- 22 : デッキ幅 約19.0~20.0cm(7.5~7.875inch)
- 33 : デッキ幅 約20.0~20.9cm(7.875~8.25inch)
- 44 : デッキ幅 約20.9~22.2cm(8.25~8.75inch)
オススメのトラック
クルーザー用のトラックとしてオススメなのは、ACE(エース)。
重心移動を素直にスケボーの挙動に反映してくれると、ファンがたくさんいるトラックです。
私の周りでも玄人のスケーターは、クルーザーにACE(エース)を使ってます。
クルーザー用ベアリングの選び方
クルーザー用のベアリングは
- 耐久性が高い
- 回転しやすい
ものがオススメです。
回転のしやすさはABECという規格で表され、1から9まであります。
この数字が大きくなればなるほど、回転しやすくなります。
そのため、クルーザーではできるだけABEC7や9のベアリングを選びましょう。
個人的にオススメなベアリングはこの二つ。
どちらも耐久性・回転のしやすさが抜群。
クルーザーのベアリングの選び方は、トリック用のスケボーのベアリングと大きく変わりません。
ベアリングの選び方についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせてどうぞ。
ベアリングの選び方と人気・オススメのベアリングのご紹介
クルーザーで街を気持ちよく流そう
クルーザーを手に入れると、近くのコンビニに行くだけの移動でさえ楽しくなります。
また、友達とクルーザーでみんなでクルージングしながら、スケボーのスポットを探すのも楽しいですよ。
トリックをしなくても楽しめるので、スケボーの入り口としてもオススメです。
この記事を読んで、クルーザーにちょっとでも興味を持った方はぜひクルーザーを組んで、普段行かない場所へプッシュで滑りに行ってみてください。
きっと今までにない楽しさを感じられるはずです。
私のクルーザーのセッティングもこちらの記事でご紹介しているので、こちらも合わせて参考にしてくださいね。
【スケボーのクルーザー】マイセットアップのご紹介