トラックの選び方と定番のブランドのご紹介
スケボーのパーツの中でも乗り心地やトリックのタイミングを左右する重要なパーツ「トラック」
今回は、「何を基準にトラックを選んだらいいかわからない」「トラックってどんなブランドが作っているの?」という方のために
- トラックの選び方
- 定番のトラックブランド
をご紹介します。
Contents
トラックの選び方
トラックとはウィール(車輪)の間にある鉄のパーツのことです。
このトラックを選ぶポイントは、この4つ。
他のパーツと同様にトラックも何がいいかは使ってみないとわかりませんが、この4つのポイントをおさえると、どんなトラックを選べばいいかが見えてくるはずです。
- トラックの横幅
- トラックの重さ
- トラックの挙動
- 車高
トラックの横幅は使いたいデッキの幅にあわせる
トラックの横幅はデッキの太さに合わせて選びましょう。
- 太いデッキにはトラックの横幅も長いもの
- 細いデッキにはトラックの横幅は短いもの
を選ぶ必要があります。
デッキの幅とトラックの横幅があっていないと、グラつきやすくなったり、思ったように曲がれなかったり、トラックの性能を充分に活かすことができないので、使っているデッキの横幅に合わせてトラックを選びましょう。
この後ご紹介する定番ブランドのトラックについては、ブランドのトラックごとに適したデッキのサイズを記載しているので、トラックを買う際はそちらは参考にしてください。
トラックの重さ
トラックの重さは本当に好みによります。重い方が好きな人もいますし、軽い方が好きな人もいます。
とはいえ、最初はどちらを選べばいいかわからないと思うので、それぞれのメリットとデメリットをご紹介します。
重いトラックのメリット
1.スピードを出しても安定する
車も一緒だと思うのですが、足回りが重い方がスピードを出した時に安定します。
2.回し系トリックでエアキャッチする時の快感がすごい
重いトラックを使っていると、回し系のトリックをエアキャッチした時に強い衝撃がくるので、それに快感を感じるスケーターもいます。
重いトラックのデメリット
1.回し系のトリックをやる時に力が必要
トラックが重いとスケボー全体が重くなるので、板を回転させるトリックに必要な力は重くなればなるほど、余分に必要になります。
2.スケボーを長時間持ち運ぶ時に大変
ストリートで滑るようになってくると、手で持って移動することも増えると思います。
手で持って移動する時間が増えると、やっぱりトラックが重い方が疲れます。
軽いトラックのメリット
1.板を回転させるための力が少なく済む
トラックが軽いと、スケボーも軽くなるので回転系トリックに必要な力が少なくて済みます。
2.疲れないにくい
1.にも関係してくるのですが、板を回す力も少なくていいですし、オーリーも軽い力ですむので足が疲れにくくなります。
軽いトラックのデメリット
1.スピードを出すと安定しない
車体が軽いため、スピードを出すとグラグラして安定しません。
とは言っても坂道を猛スピードで走らない限りは、トラックの軽さが原因でグラつくことは少ないです。
2.回し系トリックをエアキャッチした時の気持ち良さがあまりない
板を回転させるトリックを空中でキャッチしても、あまり衝撃がなく、物足りなく感じるスケーターもいます。
トラックの挙動
トラックの挙動は細かくいえば、色々とあるのですが、大きくは柔らかくスムーズに曲るか、硬くてクイックに曲がるかの2つです。
トラックの挙動はブッシュと呼ばれるパーツの硬さも大きく関わってくるのですが、ブランドごとにトラックの挙動をまとめるとこんな感じです。
柔らかくクイックに曲るブランド
- Independent(インディペンデント)
- Thunder(サンダー)
- Royal(ロイヤル)
- Ace(エース)
硬くてゆっくり曲がるブランド
- Venture(ベンチャー)
柔らかくクイックに曲るトラックは、クイックに曲がることができますが、その分不安定なので、初心者の方は乗りにくく感じるかもしれません。
それと比べて硬くてゆっくり曲がるトラックは、クイックに曲がれないかわりに安定感があります。
ただ、オーリーなどでバランスを崩した時に、硬いトラックだと体勢を立て直しにくいです。
初心者の方にオススメのトラックは、硬くてゆっくり曲がるトラックです。
最初はスケボーに乗るだけで精一杯なので、安定する硬いトラックを最初に試すことをオススメします。
スケボーに乗り慣れてきたら、トラックの柔らかさを調整し、自分の好きな硬さを見つけましょう。
トラックの車高
トラックにも車高が高いものと低いものがあり、それぞれハイとローという言葉で表されることが多いです。
車高が高いトラックと車高が低いトラックの特徴をそれぞれご紹介します。
車高が高いトラックの特徴
- 理論上、車高が低いトラックよりもトリックの高さが出しやすい
- 曲がりやすい
- 地面とテールの高さがあるため、マニュアルがやりやすい。
- 地面とテールとの距離があるため、ノーズが上がってくるのが遅く、デッキコントロールがしにくい
車高が低いトラックの特徴
- 車高が低いため、安定して乗れる
- 地面とテールとの距離が短いため、ノーズが上がってくるのが早く、デッキコントロールがしやすい
トラックの「ハイ」と「ロー」どっちがやりやすいかは、人によって大きく分かれます。
そのため、初心者の方が選ぶトラックとしては、どちらでもいいと思います。
結局、オススメのトラックは?
ここまで4つのポイントをご紹介してきましたが、自分にあったトラックや乗りたいトラックはイメージできたでしょうか。
「初めてトラックを買うから、まだイメージができない」という方は、まず自分が乗りたいデッキを選びましょう。
そして、そのデッキと合うサイズのトラックを選ぶのが一番良いです。
スケボーに慣れてきたら、周りのスケーターにスケボーを貸してもらったり、買い換えてみたりして、色々なトラックに乗って自分に合うトラックを見つけましょう。
定番ブランドのご紹介
トラックを選ぶポイントの次は、トラックの定番ブランドを4つご紹介します。
トラックを買うイメージができた方もできていない方も、まずはこの4つのブランド中から選ぶのをオススメします。
Independent(インディペンデント)
最も有名なトラックブランドのIndependent(インディペンデント)。
トラックのブランドだと知らなくても、ロゴマークは見たことがある人が多いと思います。
ブランドイメージはゴリゴリに攻める感じで、男気溢れるブランドです。
所属しているライダーは、ANDREW REYNOLDS,ANTHONY VAN ENGELEN,MARK GONZALES,TONY HAWK,RYAN DECENZOなど、レジェンドからルーキーまで勢ぞろい。
ライダーの数も多く、公式サイトに記載されている所属ライダーの人数は数え切れないほどでした。
特にボウルやアールをメインで滑るスケーターに人気があります。
ボウルやアールを滑るスケーターに人気な理由は、トラックが重くて安定性が高いこと。
インディペンデントのトラックは、他のブランドのトラックに比べてかなり重いです。
ただ、最近は軽量化したトラックも発売されているため、重いトラックが苦手な人でも使えるようになってきました。
また、他のブランドと比べて車高は若干高めです。
このトラックは熱烈なファンも多く、トラックはインディペンデント以外ありえない!と言う人も多いです。
重くて曲がりやすいトラックが好きな人にはオススメのトラックです。
Independent(インディペンデント)のトラックとサイズと、それぞれのサイズに適したデッキの横幅はこんな感じ。
- 129 : デッキ幅 約19.0~20.0cm(7.5~7.875inch)
- 139 : デッキ幅 約20.0~20.9cm(7.875~8.25inch)
- 149 : デッキ幅 約20.9~22.2cm(8.25~8.75inch)
※上記の情報はカリフォルニアストリートさんのサイトを参考にさせていただきました。
Venture(ベンチャー)
先ほどご紹介したIndependent(インディペンデント)に並んで、有名なトラックブランドであるVenture(ベンチャー)。
所属しているライダーもPaul Rodriguez,JB Gillet,Paul Hart,Sewa Kroetkov,Felipe Gustavoなど、スター級のスケーターばかり。
Venture(ベンチャー)のトラックは安定しやすいため、初心者にオススメのトラックです。
Venture(ベンチャー)のトラックはかなり硬くて曲がりにくいのですが、重心が少しずれたぐらいでぐらつかないので、乗りやすく感じる初心者の方は多いです。
また、Venture(ベンチャー)のハイのトラックは、どのトラックよりも車高が高いので、オーリーの高さを追求したい方にも人気があります。
Venture(ベンチャー)のトラックとサイズと、それぞれのサイズに適したデッキの横幅はこんな感じ。
- 5.0 : デッキ幅 約19.0~20.0cm(7.5~7.875inch)
- 5.25 : デッキ幅 約20.0~20.9cm(7.875~8.25inch)
※上記の情報はカリフォルニアストリートさんのサイトを参考にさせていただきました。
thunder(サンダー)
Independent(インディペンデント)とVenture(ベンチャー)の次に有名なトラック「Thunder(サンダー)」。
所属しているライダーは、Sean Malto,Mark Appleyard,Marc johnson,Shane O’neill,Tom Asta,Mark Suciuなど、多くのライダーが在籍しています。
Independent(インディペンデント)とVenture(ベンチャー)の所属ライダーの層と比べると、比較的若いライダーが多いです。
サンダーのトラックは軽くて曲がりやすいため、かなり使い心地がいいです。
私が長年愛用しているトラックもThunder(サンダー)。
私が使っているトラックの使用感はこちらの記事で熱く語っているので、よかったらどうぞ。
サンダーのトラックを4年間使っている理由をまとめみた
Thunder(サンダー)トラックのローは、最も車高が低いトラックです。
ただ、あまりニーズがなかったのか、147と149のローのトラックは生産中止してしまったようです。
あまり癖がなく軽いトラックで、乗りやすいので初心者にもオススメしたいトラックです。
Thunder(サンダー)のトラックとサイズと、それぞれのサイズに適したデッキの横幅はこんな感じ。
- 147 : デッキ幅 約20.6~21.0cm(7.5~8inch)
- 148 : デッキ幅 約20.6~21.0cm(8.125~8.5inch)
- 149 : デッキ幅 約21.2~22.2cm(8.375~8.75inch)
※上記の情報はカリフォルニアストリートさんのサイトを参考にさせていただきました。
Royal(ロイヤル)
上記にあげて3つのトラックブランドと比べるとあまり有名ではありませんが、デッキブランドのGirl(ガール)の親会社クレイルタップの子会社ということもあり、知名度は高いです。
Royal(ロイヤル)のトラックは特徴という特徴はなく、本当に癖がないトラック。
ただ、このMarryMagの読者の方から教えていただいたのですが、Royal(ロイヤル)はベースプレートが弱く、割れてしまうことがあるようです。
それを受けて、ベースプレートの形を変更したようですが、品質が改善されたかは定かではありません。。
カラーバリーションが豊富なので、デッキとトラックの色を合わせたい場合には良いかもしれません。
Royal(ロイヤル)のトラックとサイズと、それぞれのサイズに適したデッキの横幅はこんな感じ。
- 5.0 : デッキ幅 約19.0~19.7cm(7.5~7.75inch)
- 5.25 : デッキ幅 約19.7~20.9cm(7.75~8.25inch)
※上記の情報はカリフォルニアストリートさんのサイトを参考にさせていただきました。
Ace(エース)
柔らかくクイックな挙動で、クルーザーを組むスケーターに大人気のAce(エース)。
ストリート用のスケボーに使っている方も多いブランドです。
Independent(インディペンデント)のstage9というシリーズを設計した人物が立ち上げたブランドということもあり、信頼性は抜群ですね。
Ace(エース)は重心を傾けた方に素直に曲がってくれるため、操作性がかなり良いと私の周りのスケーターからも好評なトラックです。
Ace(エース)のトラックとサイズと、それぞれのサイズに適したデッキの横幅はこんな感じ。
- 22 : デッキ幅 約19.0~20.0cm(7.5~7.875inch)
- 33 : デッキ幅 約20.0~20.9cm(7.875~8.25inch)
- 44 : デッキ幅 約20.9~22.2cm(8.25~8.75inch)
※上記の情報はカリフォルニアストリートさんのサイトを参考にさせていただきました。
Kruck(クラックス)
少しずつ知名度があり、人気も出てきたKruck(クラックス)。
ここまでご紹介してきた4つのトラックと比べると、まだ定番と言えるほどではありません。
ただ、今後は定番のトラックになっていく可能性もありそうなのでご紹介します。
Kruck(クラックス)の親会社はIndependent(インディペンデント)の親会社と同じNHSです。
Kruck(クラックス)は形が特徴的で、トラックの前面が軽量化のためにくり抜かれており、そのくり抜かれた穴でビールの瓶を開けれます 笑
また、グラインド(トラックで縁石などを滑ること)で、トラックのネジの部分が当たらないように工夫がされており、他のトラックブランドとは違ったアプローチでスケーターをサポートしています。
所属しているスケーターはCHAZ ORTIZ,NESTOR JUDKINS,RYAN GALLANTなど、人数は少ないながら実力派スケーターが揃っています。
Kruck(クラックス)のトラックとサイズと、それぞれのサイズに適したデッキの横幅はこんな感じ。
8.0 : デッキ幅 約20.0~20.9cm(7.875~8.25inch)
※上記の情報はカリフォルニアストリートさんのサイトを参考にさせていただきました。
初心者にオススメなトラックはVenture(ベンチャー)とThunder(サンダー)
初心者にオススメなトラックとしては、Venture(ベンチャー)とThunder(サンダー)
です。
どちらも安定性が高いため、初心者でも乗りやすいと思います。
Thunder(サンダー)の方が若干曲がりやすいのですが、安定感はVenture(ベンチャー)の方が高いので、どちらにするかはバランス力に自信があるかどうかで決めてもいいかもしれません。
ただ、スケボーの他のパーツ同様、トラックは乗っていくうちに好みがわかってくるものなので、スケボーに乗り慣れたら色々なトラックを試してみましょう。
また、トラックだけでなく、ウィールとベアリングといった足回りのパーツも重要です。
ウィールとベアリングも滑り心地に大きな影響を与えるため、自分にあったパーツを選びましょう。
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